どうも、のうみです。
恋愛作品をあまり観ないのですが「やがて君になる」は別次元の作品でした。
作品に登場する少女たちの心理描写マジで凄すぎでしょ。
作者は仲谷鳰先生で、2015年より月刊コミック電撃大王にて連載していましたが、2019年11月に物語は終わりを迎えました。
私としては最初はまったくのノーマークでしたが何気なく一話を視聴。
百合というジャンルということなどまったく気にならないほど凄い作品でした。
何気ない仕草やセリフに込められた想い
何気ない仕草やセリフに込められた想い
東見遠高校に通う1年生小糸 侑は誰かを特別に想うことが理解できずにいた。
だから、異性から告白を受けてもその返答に困っていました。
そこに2年生の生徒会役員七海 燈子と出会いある出来事をきっかけに侑に告白をします。
燈子は自分のことが嫌いでそんな自分を好きな人も好きになれない。
だから誰も特別に想えない侑に対して特別な感情を抱くのですが、徐々に侑にも特別な感情が芽生え始めていく。
しかし、それを表に出せば燈子は侑のもとを離れてしまう。
けれども侑は燈子ばかりが恋愛を楽しんでいる、自分が抱けない特別な感情を持っていることへの怒りや嫉妬のような感情が次第に心の中で渦巻いていきます。
そして、燈子に対して燈子自身のことを好きになってほしいと願うようになる。
そうすれば、侑も燈子のことを好きになっても関係は壊れないのではと思っている。
この物語は学園モノの恋愛漫画ですが百合というジャンルで括ってほしくない。
何故ならマイノリティーにスポットを当てた恋愛だけどここまで緻密に心理描写した作品は私は他に知らない。
何故だろう…二人を観てると悲しくなる
何故だろう…二人を観てると悲しくなる
二人の秘密、二人の世界、でもその先の未来には何が待っているのでしょうか?
変われない燈子と変わっていく侑が対象的に描かれいて、話が先に進むにつれ仲が深くなっていくのが、かえって辛く感じます。
燈子だけが揺るがない意志を持っていて、侑と視聴者が共通の感情をきっと抱くはず。
なんでも完璧にこなしていた亡き姉の面影を理想として、陰で努力をして必死に自分自身を変えてきた燈子。
そして、生徒会劇の合宿中に燈子が思い描いた理想の姉の知らなかった一面を知ることになります。
果たして燈子と侑の関係はどんな結末を迎えるのでしょうか?
全ての人はきっと自分が何者になるのかは誰に知ることはできないけど、本当の自分であろうと誰かのための偽りの自分であろうと、唯一無二の存在、つまり「君」になってくいのです。
本当の自分や着飾った偽りの自分などというものには、きっと境界線など存在せず、どんな自分もやがて君になる。
燈子のことを密かに思う佐伯 沙弥香や燈子と侑を静かに見守る槙 聖司が今後の展開に絡んでくるのか、とても気になる。
私が思うにこの作品が実写化されない理由が見当たらない。
この作品はもっと評価されるべき。