どうも、のうみです。
スパイ作品と言えばド派手なアクションそしてハイテク機器を巧みに扱う主人公を描いたスタイリッシュなものが多い。
だけど今回解説する「パトリオット」はスパイ作品の中でも異色のアマゾンオリジナルドラマ。
情報機関のトップに父を持つジョン・タヴナーは哀愁漂う孤独なフォークシンガー。
その裏の顔は非公式諜報員。
彼は任務中にターゲットではない一般人を誤って殺してしまい、さらに拘束され精神を追い詰める拷問を受けたことによって心にトラウマを抱える。
孤独な非公式諜報員の悲哀
孤独な非公式諜報員の悲哀
ジョンはイランの核武装を阻止する目的で選挙工作資金を仲介人に渡す為、諜報員として配管会社マクミランのジョン・レイクマンとして面接を受ける。
スパイが面接ってどゆこと?と思うかもしれないけど、政府の後ろ盾がない非公式諜報員は一般人に溶け込む必要がありコネで入社などできない。
はっきり言って最初からトラブルの連続。
教えられた会社の住所が間違ってたり、薬物検査で引っかかるので正体を明かして他人に尿を借りたり、高度な知識を要する難解な質問に応えれず面接印象が最悪だったり。
さらに自分が採用される為に同じタイミングで面接を受けた人を事故に合わせ行き当たりばったりだけどジョンはどうにかマクミランに採用。
ジョンに落ち度がある訳ではなく計画そのものに無理がありすぎる。
そもそも不安定な精神状態で諜報活動させることにも無理がある。
どうにか問題を解決しようとするけど問題が雪だるま式に大きくなっていく(泣)
愛する妻がいて、音楽を心から愛しする、心優しい青年こそがジョンの本来の姿。
しかし、多くの不安と葛藤を常に任務中に抱えることにジョンは耐えきれるのか?
これぞリアルなスパイなんじゃないかと思う反面、ドタバタしてる感じが常にあるのでジャンルは何かと問われたらたぶんコメディでしょうね(笑)
ジョンと個性豊かな仲間たち
ジョンと個性豊かな仲間たち
孤軍奮闘するジョンを支える仲間たちもキャラが濃い。
実兄の下院議員のエドワードや妻のアリスそして面接の薬物検査の時に尿を貸してくれた同僚のデニス。
彼らも多くの問題を抱えている。
その場凌ぎの解決を繰り返したことで、いろんなことが破綻していく。
上司のレスリーには煙たがられ、同僚を任務に巻き込んだり、散々なジョンの苦悩は尽きることはない。
個人的にはレスリーが好きです。
ジョンの敵役として彼の人生に深く関わってるので二人の関係性が見ていて面白い。
一般人に紛れ込み任務を遂行する中で問題が大きくなり、視聴者も目的は核武装回避する為だということを忘れてしまうぐらい。
当初の任務はイランへの核武装を防ぐ為に、その選挙工作資金をルクセンブルクからイランに資金を渡すだけのはず。
なのにイランへの選挙工作資金を持ち逃げされ、その資金を取り戻すことがいつの間にか目的になってる。
ジョンはメチャメチャ優秀なエージェントです。
ただ計画が雑だし任務遂行するにはハードルが高すぎるので問題を解決させる為に、さらに問題が大きくなるのは最初は見ていて笑える。
でもストーリーが進むにつれてジョンの背中に哀愁を感じるし、その境遇を知った仲間に支えられる姿は泣けます。
ストーリーも練られていてジョンから目が離せない。
ワクワクしながら新シーズンを待っていたのですが、シーズン2をもって打ち切り。
結局ド派手なスパイアクション作品じゃないと世間には受けないってことなのか…
