どうも、のうみです。
今回紹介するのは2016年にTBS系にてテレビドラマ化により放送された「重版出来!」です。
原作は松田奈緒子さんで月刊!スピリッツにて2012年から掲載中。(2020年1月現在)
重版出来(じゅうはんしゅったい)とは出版した書籍の初版分が売れることにより増刷のために刷り直すこと。
出版業界では誰もが心から喜びの笑顔を生む幸せの言葉でもあります。
物語はまさにその出版業界の編集側にスポットを当てた作品。
週刊コミックバイブスの編集部に配属された黒沢 心は元柔道オリンピック強化選手だった過去をもったスポ根女子。
ケガによって柔道の道が絶たれて挫折を知る黒沢には相手に寄り添う優しさと小柄な身体だけど柔道で鍛えた心技体を持ち合わせている。
真っすぐな性格の黒沢はかつて柔道を始めるきっかけを与えてくれた漫画の持つ力をかつての自分と同じように誰かにその力を与えたいと願っていた。
現代の出版業界の厳しい実態とそこで戦う者達の物語
現代の出版業界の厳しい実態とそこで戦う者達の物語
今の時代は出版業界にはとても厳しい時代。
時代の変化によって出版部数減少は歯止がかからず大手出版社でも出版書籍の売り上げは落ちていく一方。
購買層の変化もあるのですがひと昔前のように圧倒的な存在だった漫画が他のコンテンツに飲まれてる印象を受けます。
編集者は作者と共に作品を世の中に広めるために営業や表装デザイナーや書店員などの多くの人達の力を借りて必死に奮闘。
しかし数字が全てという現実、それは売れなければ消えていくという当たり前の事実がこの作品にはちゃんと描かれています。
思い出しただけで涙が溢れてくる名シーン
思い出しただけで涙が溢れてくる名シーン
心に強く残ってるのはTEAM NACSの安田 顕さんが演じる新人潰しの悪名をもつベテラン編集者の安井 昇。
雑誌の利益を優先して作者の意向を気にかけない冷徹で非常な安井はかつては漫画に熱い思いを持ったコミックFLOWの編集部の一人だった。
けれどコミックFLOWの廃刊をきっかけに無駄なことはせず確実に雑誌の売り上げて黒字にさせることだけを目標にするようになった。
編集者と漫画家の二人三脚で作品を育てる黒沢をかつての自分を重ねているようにも感じ取れます。
売れなければ雑誌自体が無くなってしまうことを誰よりも知っているこの安井のことを責めれるでしょうか?
新人漫画家からの拒絶の言葉に冷静を装うのですが、その眼には涙が溜まってるように見えるシーンは本当に素晴らしい演技でした。
もう随分前に観た作品ですがこの記事を書いている今でもこのシーンを思い出したら本当に泣きそう。
