どうも、のうみです。
今回紹介するのは2016年にTBS系にてテレビドラマ化により放送された「重版出来!」です。
原作は松田奈緒子さん月刊!スピリッツにて2012年から掲載中。(2020年1月現在)
【2023.6.27追記】
連載11年!堂々完結!
松田奈緒子先生、そして小熊とバイブスのみんな、おつかれさま。
ちなみに重版出来(じゅうはんしゅったい)とは出版した書籍の初版分が売れることにより増刷のために刷り直すこと。
出版業界では誰もが心から喜びの笑顔を生む幸せの言葉。
この作品はその出版業界の編集にスポットを当てた物語。
週刊コミックバイブスの編集部に配属された黒沢 心は元柔道オリンピック強化選手だった過去を持つ気合と根性のスポ根女子。
ケガによって柔道の道が絶たれて挫折を知った黒沢。
相手に寄り添う優しさと小柄な身体だけど柔道で鍛えた心技体を持ち合わせている黒沢こと通称コグマ。
真っすぐな性格の黒沢はかつて柔道を始めるきっかけを与えてくれた漫画。
その漫画への感謝と恩返し。
自分と同じように誰かにその漫画の力を広める仕事に就きたいと願っていた。
出版業界を支える者達の物語!
出版業界を支える者達の物語!
厳しさを増す出版業界の現実。
時代の変化によって出版部数減少は歯止がかからず大手出版社でも出版書籍の売り上げは落ちていく一方。
購買層の変化もあるのですが、ひと昔前のように圧倒的な存在だった漫画が他のコンテンツに飲まれてる印象。
編集者は作者と共に作品を世の中に広めるために営業や表装デザイナーや書店員などの多くの人達の力を借りて成り立っている。
しかし、数字が全てという現実。
それは売れなければ消えていくという当たり前の事実がこの作品には目を背けることなくちゃんと描かれています。
涙が溢れる名シーンの数々!
涙が溢れる名シーンの数々!
心に強く残ってるのはTEAM NACSの安田 顕さんが演じる新人潰しの悪名を持ったベテラン編集者の安井 昇のエピソード。
雑誌の利益を優先して作者の意向を気にかけない冷徹で非常な安井。
しかし、昔は漫画への熱い思いが溢れるコミックFLOWの編集部の一人だった。
まるで今の黒沢のように。
けどコミックFLOWの廃刊をきっかけに無駄なことはせず確実に雑誌の売り上げて数字を出すことだけを目標にするように変わってしまった。
編集者と漫画家の二人三脚で作品を育てる黒沢をかつての自分を重ねているようにも見える。
売れなければ雑誌はなくなってしまう。
この現実を誰よりも身をもって知っている安井のことを責めれるか?
新人漫画家からの拒絶の言葉に冷静を装い熱い思いを表に出さず気丈にふるまう。
その一瞬だけど眼には涙が溜まって溢れそうになるシーンは本当に素晴らしい演技だと思う。
心の底では漫画愛が溢れてるけど家族のため、そして雑誌を終わらせないために淡々と仕事をこなす安井。
随分前に視聴した作品だったけど、この記事を書いている今でもこのシーンを思い出したら涙が出る。