どうも、のうみです。
今回は月刊アフタヌーンにて連載中(2020年2月現在)のひぐちアサさんの「おおきく振りかぶって」を紹介。
中学時代の野球部でのトラウマにより高校では野球はやらないと決めていた卑屈な性格ピッチャーの三橋 廉。
指示通りの球を投げない投手が大嫌いなキャッチャー阿部 隆也を中心とする一年生だけで構成された西浦高校野球部。
チームを束ねる監督の百枝まりあ通称モモカンの指導の下に甲子園優勝を目指す物語。
西浦高校のOGでもあるモモカンの過去が気になる…スピンオフ作品とかやってほしい。
古今東西いろんな野球マンガはある中で、この作品はかなり異彩を放っている。
スポ根は少なめ、駆け引き多め
スポ根は少なめ、駆け引き多め
野球の王道路線通り捕手と投手にスポットを当ててるけどスポ根要素が薄く繊細な心理描写や緻密な戦略描写が多く描かれていて、他の野球漫画とは異なる方向に特化してる。
捕手の阿部が主導するバッターとの駆け引きが細かく描かれている。
普通の展開だったら絶対的な投手の力でチームが勝ち進むのが定石だけど、この作品は投手の三橋は高い制球力があるけどスピードのある球は投げることできない。
変化する特殊なストレートと他の変化球を絡ませながら阿部のリードによって試合が動いていく。
緻密に計算された捕手による駆け引きで動く試合展開は他の野球マンガにはない独自の面白さがある。
三橋は阿部のリードに身を委ねていて時折迷いを感じる時もあるけど、それでもリードを信じて安心して投げることができる。
しかし物語が進むと少しずつ二人の関係性に変化が表れてくる。
成長し変化する関係性
成長し変化する関係性
制球力がずば抜けて高く自己主張をしない三橋は阿部にとって使いやすい投手であり捕手にとって都合の良い投手。
一方、阿部にリードを信じているからエースとして投げれるので配球に対して意見をすることはない。
それは打たれた責任を阿部に背負わせていたということ。
マウンドに立っている三橋と阿部は互いに向き合い二人の関係性が徐々に変化していく。
こういう感じでバッテリーが成長していく野球漫画に出会ったことがない。
野球の駆け引きの奥深さ、監督そして選手の個々の性格が戦いを大きく左右することを知ることができました。
