TRUE DETECTIVE シーズン3【終わりなき追憶捜査】

どうも、のうみです。

最近、コロナの影響もありジャンルを問わず様々な作品を鑑賞中。

一日一本は視聴しているので投稿分ストックが大量に増えたのでとりあえず作品の感想を吐き出します。

多くの人気作品を配給するHBOによる制作作品の「TRUE DETECTIVE(トゥルーディテクティブ) 」シーズン3。

映像コンテンツが盛りだくさんで料金もリーズナブルなアマプラで視聴できます。（2020年6月現在)

過去の投稿でシーズン1を紹介しましたが、このシーズン3もそれに負けず劣らす素晴らしい作品だった。

ちなみに、このシーズン3ではシーズン1と同じ世界線で描かれています。

作中のとあるシーンでラスト刑事・マーティン刑事の事件記事がでてきてゾクゾクした。

パーセル事件について

アメリカ アーカンソー州警察をリタイヤしたウエイン・ヘイズ。

2015年、記憶障害が悪化したヘイズはボイスレコーダーから流れる昨日の自分の声を聴きながら、その指示に従い自身の現状を認識する日々。

そんなある日、過去の事件のインタビューを受けることになり薄らぎつつある自分の記憶を辿ることに。

その事件とは1980年にアーカンソー州の田舎町で起こったパーセル事件について。

幼いパーセル兄妹が行方不明なりその後、兄ウィルの死体が発見されたが妹ジュリーは行方不明のまま。

ヘイズは相棒のローランド・ウエスト刑事と共にパーセル家に向かい、そこから35年に及ぶ長い事件は幕を開ける。

関係者の聞き込み捜査最中に知り合ったウィルの担任教師アメリア。

後のヘイズの妻となるアメリアの高い捜査能力を借りながら事件を解決へと向かわせる。

しかし、一度は解決したはずの事件が10年後の1990年に妹ジュリーが監視カメラに写っていたことで再捜査始まる。

だが、最重要容疑者であるジュリーの実の父トムの死によって捜査は打ち切り。

ヘイズとウエストは多くの疑問を残したのトムの死と捜査の終わりに納得ができず独自捜査を始める。

それから時はさらに流れて25年後の2015年。

インタビューに訪れた記者がパーセル事件の新情報を持っているのではないかとヘイズは睨む。

時代の異なる三つの時間軸

シーズン1と似ていて、この作品は三つの時間軸で描かれている。

ヘイズ刑事の視点でパーセル事件発生時の1980年。

その10年後に成長した妹ジュリーが監視カメラに写っていたことで再捜査が始まる1990年。

インタビューを受けている現在進行形で描かれている2015年の三つの時間軸。

近日公開のTENETを制作したクリストファー・ノーラン監督作品のメメントの投稿でも書いたけど、記憶は主観的情報であり何らかの要因で変容することが多々ある。

私自身が体験したのですが友人との学生時代の思い出が食い違うことが結構ある。

どれが真実なのか誰にもわからない。

記憶は感情や時間に影響されることがある。

つまり、この作品で重要なことは物語の過去のパートである1980年と1990年の二つの過去のパートはヘイズの主観的情報だということ。

時間や感情により歪みが生まれることを明確に示唆ように過去の出来事でありながら現在のヘイズの感情が干渉しているシーンがある。

過去の記憶を追体験しているヘイズがドアを開けると若きヘイズにはドアが勝手に開くだけ。

ある罪を犯した過去のヘイズが衣服を燃やすシーンでは誰かの視線の感じて見た先には記憶を追体験する老いたヘイズがそこにいた。

過去のヘイズには追体験をしているヘイズは見えません。

終わっては始まるヘイズ永遠の追憶捜査

かなり極端な仮説ですが、もしかしたら現在進行形の2015年のパートですらも記憶の中だとしたら？

ヘイズが被害者の少女であるジュリーが生きていてほしいと願ったことで変容したヘイズの内面世界の物語なのかも？

ヘイズはベトナム戦争で長距離偵察部隊に所属していてジャングルに単独で侵入し情報を集め、相棒ウエストがヘイズのことを道を見つけ出す男と呼んでいた。

ベトナム戦争に志願したのも母親ためだったヘイズ。

退役後もずっと道を見つけるという習性が身に着き、それを活かして事件を捜査していた。

全てが事実だったとして進み続けた道の終わりに、たどり着いた真実さえも失っていくヘイズ。

二人の孫が自転車に乗るシーンはパーセル兄妹を彷彿させます。

そこから再び記憶の中へ落ちていき妻アメリアへのプロポーズした時間まで遡る。

そして光に包まれた出口に向かうも、その先にある記憶はベトナムのジャングルの中へと入っていく若きヘイズ。

ヘイズ自身が語ってた「ベトナムから全ては始まった」とは彼の原点がそこにあるから。

つまり記憶の全てが失われるまでヘイズはベトナムから全てが始まり、捜査を何度も追体験するのかも？

妻、妻の死、家族、相棒、パーセル事件、ベトナム戦争。

考えてみるとヘイズは例えそこに道がなくとも道を見つけ自分で道を生みだしていたようにも思える。

少し悲しい終わりだけどヘイズにとって探し続ける道それこそが彼の生きた証だとしたら彼は何度でも同じ道を辿る。

観る作品すべてに救済のニュアンスが含まれてるように感じるのは、私の心境が何か影響してるのかも？

ヒューマンドラマはそういうモノだけど。

シーズン2はいつか観てみようと思う。

海外では高く評価されてるようなのでシーズン4が制作されることに期待。それじゃ～また。