小説

精霊の守り人【児童文学の枠を超えた長編作品】

精霊の守り人

どうも、のうみです。

上橋菜穂子さんにより描かれた異世界ファンタジー小説の守り人シリーズのひとつ「精霊の守り人」を紹介。

NHKにて実写ドラマ化され紗綾はるかさんが主演したことで話題になった作品ですが、本作は児童文学として出版され幅広い世代に読まれています。

短槍使いの女用心棒バルサが新ヨゴ皇国の皇子チャグムとその魂に宿る水の精霊ニュンガ・ロ・イムを守るために戦いそして仲間たちの協力に支えられながら旅をする物語。

バルサにはジグロという短槍使いの師匠でもある育ての親がいたけど、かつての幼い自分がチャグムと重なりジグロの親心を感じるシーンに胸が熱くなった。

二つの世界『サグ』と『ナユグ』

この世界には眼に見える人の世界「サグ」そして、眼に見えない精霊の世界「ナユグ」が存在する。

呪術士は精霊の世界を見ることができるけど稀にナユグの精霊が人間の子に卵を産み付けられることがあり、その者はサグとナユグの交わる場所に卵を届ける使命を生まれながらに背負うことになる。

見える世界と見えない世界は深く繋がり互いに切り離せない、しかし意図的に歪曲された伝承によりナユグは恐れられた存在となっていた。

物語の舞台となる北の大陸の4つの国「新ヨゴ皇国」、バルサの祖国「カンバル王国」そして「サンガル王国」と「ロタ王国」それぞれ文化も宗教も異なり国々の争いや内政問題などが複雑に絡んでいる。

『守り人』シリーズの魅力

誰が見ても必ず誰かに感情移入できる登場人物がいるのもこのシリーズの魅力のひとつ。

まぁ登場人物がめちゃめちゃ多いので当たり前だけど(笑)

児童文学ということもあり複雑な世界観だけどしっかり読むことで誰でも理解できるように構成されていてる。

異世界ファンタジーだけど、この世界はこの現実世界と同じで人々は葛藤や迷いをそれぞれ抱えていて登場人物たちはそうした運命に抗いながらも自分の役割をまっとうする。

現実世界で生きていくヒントがこの物語にはあるからこそ多くの読者を惹きつける素晴らしい作品なのだと改めて思いました。

児童文学ってジャンルの中では異彩を放つ作品だけど入門書としてオススメ。それじゃ~また。

-小説
-, ,